「なぜ冷静な議論ができないのか」
昨日(6月10日)行われた原子力発電環境整備機構、通称NUMOの対話型説明会に参加してきました。というか、、、
我が国のエネルギー自給率と安全保障を考えると原子力発電をゼロにすることは現実的とは思えません。そういう意味で私は原発推進派です。個人的な意見を述べると、将来は我が国のエネルギーミックスは20%程度を原子力発電が担うのがいいのではないかと思います。もちろん安全性の確保は大前提です。(安全性の考え方についても多くの議論がありますがここでは書きません)
原子力を使う場合どうしても「核のごみ」が出ます。したがってこれの始末をつけなくてはいけません。世界的に見て、現在は「埋め立てる」という方法が主流になっています。これは「地層処分」と呼ばれています。他の方法は確立されていないようですが、ご存知の方があればぜひ教えて下さい。
地層処分には広大な敷地が必要になります。地上施設で1~2平方キロ、300メートル以上の地下で6~10平方キロと言われています。この「地層処分」の候補地を選定するため、資源エネルギー庁が「地層処分に関する化学的特性マップ」と言うのを作られました。今回はこの化学的特性マップの説明会でありました。
私はたまたま、新聞記事(何新聞だったか失念しました)で富山県開催を知り、すぐにインターネットから申し込みました。率直にNUMOがどう考えていて、どんな説明をするのか興味あったからです。
当日は第2部のワークショップまで参加ししっかり勉強するつもりで会場入りしました。まず地層処分とはどういう処分なのか、基本的な方法や世界の潮流について映像を見ました。それからNUMOの地域交流部長高橋さん、資源エネルギー庁の放射性廃棄物技術室長の吉村さん、日本大学の竹内教授からそれぞれ候補地選定のための調査・評価のあり方や進め方、安全性、マップの見方などについて説明を受けました。それから質疑応答に入ったのですが、、、
質問されたのは反対派と思しき2人。
「地下水脈が川のような富山では地下に埋めても水浸しになる。」
「八尾から海生生物の化石が見つかっているから1万年以内に地面が隆起している。それなのに富山は安全だと言えるのか」
「富山に来るならちゃんと富山のこと調べてから来なさい」
「いい加減な資料を持ってきてこれが国のやり方か」
など、大変な剣幕。最初の説明を聞いていた僕には、どれもピントのぼけた質問に聞こえました。先述の3氏が真摯に答えようとしておられるのにもかかわらず最後まで聞こうとせず、途中で発言を遮って感情的に口撃する様子とても大人のやることとは思えません。最後には「国民を馬鹿にしてるのか」と声を荒げました。
あなたに国民を代表してもらおうとは思いません!
参加者の半分が仲間のようで頷いたりひそひそ話したり。不規則発言も飛び出しました。こういうところでまともな話ができる訳がないと思い、席を立ち会場を去りました。会場の担当の方が泣きそうな顔で「すいません」と言われたのは、かわいそうでした。
我が国のエネルギー問題は安全保障とセットで考え、あらゆる可能性を模索し、最も良い結論を導くため冷徹に議論を進めることが大切です。議論の機会である説明会を、自らの狭い了見で目茶苦茶にしてしまうやり方は許せません。