山本とおるの本音

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2022.09.21 (水) 09:54

安倍晋三元総理の国葬儀

山本とおるの本音
 安倍晋三元総理大臣は、参議院議員選挙最終盤、7月8日11時31分頃、奈良市で遊説中に銃撃を受け、同日17時3分、搬送先の病院で死亡が確認されました。
とても悲しい出来事でしたし、大きなショックを受けました。

心より哀悼の意を表します。

 国政選挙の最中であり、しかも街頭演説中にこれを襲うなんて許すことのできない行為です。選挙は、お互いの主張を堂々とぶつけあいます。その中から、これぞと思う政治家や政党を有権者が判断し、投票する。ですから、政治家の演説を暴力で封じ込めようというのは民主主義への破壊行為と言っても過言ではありません。

(Wikipedia 安倍晋三より抜粋)
 "「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
6月23日に東京都議会議員選挙が告示される。安倍は小学校体育館で応援演説を続けた。投開票日前日の7月1日に秋葉原駅前で行った演説が唯一の街頭演説であった。同日夕方、駅前に降り立つと、「安倍辞めろ」の声が起こり、合わせて横断幕が揺れた。演説の最中に野次が飛ぶと、安倍は「皆さんあのように人の主張の訴える場所に来て演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいんです。憎悪からは何も生まれない。相手を誹謗中傷したって皆さん何も生まれないんです。こんな人たちに皆さん私たちは負けるわけにはいかない。都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか」と言った。7月3日、菅義偉内閣官房長官は会見で、記者から「問題があると思わないか」と問われた際、「全くあると思わない」「総理の発言はきわめて常識的」と答えた。"

 7月8日当日、参議院議員選挙の候補者である野上浩太郎さんは、朝から南砺市での選挙日程を順調に進めていました。昼食休憩中にテレビのニュースで悲報を知った野上さんは、テーブルをバンっと叩きつけ、「どうしてや!」と叫んだと聞きました。(同行していた武田慎一県議の談)
 普段は温厚で、感情を露にすることの少ない野上さんのこの様子を聞いたとき、内閣官房副長官として安倍さんを支え、ともに国のために全霊で働いてきたことによる絆の強さと信頼の深さを感じました。

 内閣総理大臣経験者の襲撃による死亡は、第二次世界大戦後では初めてです。戦前も含めれば二・二六事件での高橋是清、斎藤実以来7人目。
二・二六事件から86年を経た令和の今、安倍元総理への銃撃は、一体誰が、何のために、、、 

 しかし事態は意外な方向へと進むことになりました。

 犯人は山上徹也(41)。取り調べに対し「母親が旧統一教会に入会し、多額のお金を振り込んだ影響で破産したことがそもそもの元凶」「家庭生活がめちゃくちゃになり、(同団体を)絶対成敗しないといけないと思った」と供述しました。
また、「元凶は韓総裁かと思ったが、韓総裁を日本に連れてきた岸信介元首相の孫ということで、安倍元首相も一緒と思った」。「安倍氏が統一教会を日本で広めたと思っていた」「動画を見て、安倍氏と団体につながりがあると思い、絶対に殺さなければいけないと確信した」とも。

 お門違いも甚だしい。百歩譲って、思想信条あるならまだしも。

 その後の展開は皆さまもご承知の通り。最初こそ慎重だったマスコミも、旧統一教会がいかに悪かを競うように報道し、山上容疑者に対し、被害者でもあるといったような同情的な発言も出る始末。また、安倍元総理と旧統一教会との関係にもスポットが当てられ、政治と旧統一教会、特に自民党との関係について厳しい報道が相次いだのです。

 今後どうあるべきなのか、どうしていくのか、適切な判断をするためには、旧統一教会と政治との関わりについて、できる限り明らかにされる必要があると思うし、旧統一教会、名前を変えた世界平和統一家庭連合による、霊感商法や高額献金、あるいは献金の強要といった被害の実態についても、明らかにされる必要があると思います。

 しかし、本当に明らかにされなければいけないことが、ほかにあるのではないでしょうか。
 山上容疑者の背後関係は? 本人の供述をそのまま信じていいの?
1国の元宰相が暗殺された訳ですから、そういうのも、しかと検証されるべきではないでしょうか。
 なぜ、警察は事件の全容について発表しないのでしょう。
 なぜ、マスコミはそのことに言及しないのでしょう。


 さて、国葬儀です。
 私は、安倍晋三元総理の国葬儀は、執り行っていいと思います。

 FNNが7月23、24日に行った全国電話世論調査によると、国葬決定について、「よかった」「どちらかと言えばよかった」が、あわせて50.1%。一方、「よくなかった」「どちらかと言えばよくなかった」は、あわせて46.9%。

 共同通信社が7月30、31両日に実施した全国電話世論調査によると、「反対」「どちらかといえば反対」が計53.3%、「賛成」「どちらかといえば賛成」が計45.1%。

読売新聞が8月9日に発表した世論調査結果では、「評価する」49%、「評価しない」46%。


 直近では、NHKが9月13日に発表した世論調査。「国葬」を行うことへの評価を聞いたところ、「評価する」が32%、「評価しない」が57%でした。

 7月22日の閣議で、はじめて国葬にすると発表した当初は、賛成、反対が拮抗していたと思われます。
 8月26日、松野官房長官は、国葬に必要な経費は2億4,900万円としましたが、9月6日になって、警備費や各国要人の接遇費まで含めた概算総額を、16億6,000万円と発表したため、国葬費を小さく見せようとした、との批判を浴びる事になりました。
 また、旧統一教会と安倍さんの関係や、相当数の自民党国会議員が旧統一教会との関係があることが連日報道されたこともあって、ずるずると国葬に対する評価が下がったようです。

 岸田総理は国葬の決定を急ぎすぎました。国会で議論すべきでした。
 また、費用面についても、誤解を招くような出し方をせず、最初から、16.6億の概算総額を提示すべきだったと思います。

 岸田総理とその内閣の対応のまずさによって、折角の国葬にけちがつきました。
残念でなりません。


 安倍晋三さんは、最初は2006年から366日。それから5年余り後、2012年から7年8か月、通算8年8か月間(我が国の憲政史上最も長い)内閣総理大臣を務められました。戦後の総理大臣で、間が空いて再び総理大臣になったのは吉田茂さんと安倍さんだけです。

 2007年に持病の悪化を理由に総理大臣を辞任されたときは、正直、覚悟の足りない人だなと感じました。2020年の辞任も同じ理由だったので、かなりつらい病気なんでしょう。潰瘍性大腸炎というのだそうで、難病指定されてます。

 ですが安倍さんは、経済再生に努め、デフレからの脱却を果たし、東日本大震災からの復興に尽力し、世界では当たり前の秘密保護法や平和安全法制を成立させるなど、難しい課題にも果敢にチャレンジされました。

 前政権によって信頼が失われていた日米外交を再構築され、信頼を取り戻しました。また、「地球儀を俯瞰する外交」や「自由で開かれたインド太平洋」構想を提唱し、各国と連携を図り、対中包囲網を形成するなど、我が国の世界における地位を向上させ、日本の存在感を大いに高めました。

 国葬にふさわしい功績だと思います。

 安倍さんの非業の死が世界に伝わると、世界の259の国と地域、機関から1,700件以上の弔意が寄せられました。アメリカ・インド・フィリピンでは国会が追悼を決議しました。インド・ブラジルでは政府が喪に服するよう呼びかけました。

 ニューヨークの国連本部では、7月8日に開かれた国連安全保障理事会の冒頭、現在議長を務めるブラジルのコスタ国連大使が、「不条理な暗殺に悲しみ、衝撃を受けている」と述べ、安保理理事国15か国の代表ら全員が起立し黙とうをささげられました。

 安倍晋三元総理は、世界に認められたリーダーだったのです。


 世界中から弔意が寄せられる中、我が国は異常な状況になっていると思います。

 国葬に賛成か反対か、街角でシールによる投票をするなど、下劣と言わざるを得ません。国葬が10日後に迫り、もはや中止はあり得ない状況でのシール投票は、国民の分断を助長するだけで、なんの益があるというのでしょうか。
 まさかとは思いますが、国葬当日に反対デモが起きないことを祈ります。

 駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバさんは9月9日、安倍さんの国葬について、ツイッターに私見を投稿されました。感謝と敬愛を込めて、全文を引用させていただきます。

「国葬をめぐってメディアや日本の一部のオフィシャルからあれこれと発言が出ていることを残念に思います。それどころか、故人に対する目に余る言動に心を締め付けられております。
たったひとりでも国外からの来賓があるならば、国民が一丸となって対応することが日本の懐ではないのでしょうか。」
「また、問題があるとすれば機会を改めて吟味すれば良いのではないでしょうか。今は政治ではなく日本全体の姿が試される局面です。私は、まったく必要なく悲惨な死を迎えてしまった安倍元総理の英霊を敬い、歴史に残る国葬となる覚悟で出席を表明致しました。」
 
 9月16日の富山県議会では、同僚の安達孝彦議員が、「銃弾に斃れた安倍総理に対し、我が国は暴力やテロに屈しない姿勢を国内外に示す姿勢が重要だと思いますし、敬意と感謝を表しながら静かに見送ることが大事ではないかと思っております。国葬儀に反対運動されている方々を見ると、死者に鞭打つようで大変残念でならないとともに悲しく思います。」と発言されました。

 全く同感です。

 世界からどう見られているのか、またどう見られるのが今後の日本ためなのか、よく考えてみるべきではないでしょうか。

 内閣総理大臣として8年8か月日本のために尽くし、国政選挙最終盤の遊説中に凶弾に倒れた、日本を代表する政治家、安倍晋三さんの国葬儀は、9月27日14時から日本武道館にて執り行われます。

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