先週の土曜日(5月12日)「松村謙三先生の精神に学ぶ会」の総会にあわせ、時局講演会が開催されました。講師は僕の母校である大東文化大学から武田知己先生にお越しいただき「松村謙三が描いた国のかたち・政治のかたち」と題してお話いただきました。
松村謙三先生は富山県福光出身の政治家で戦前戦後の動乱期に活動されました。清貧を貫いた高潔な政治家として知られ今なおファンの多い政治家です。
戦後、幣原内閣の農相として農地解放を提案し、自ら強力に改革を推進しました。松村先生自身の土地もこの時没収されています。
また周恩来ら中国共産党の幹部と通信し日中友好の架け橋となられました。今なお富山県が中国共産党から特別な扱いをされているのは松村先生の功績に拠っての事なのです。
今、わが国は緊張と混乱の東アジア情勢の中でどう立ち振る舞うべきか、問われています。また内政を見ても、与野党含め(もっというと官僚でさえ)国政のありようがこれでいいのか、不健全な状態にあります。松村先生の考えや言動を知ることがこうした事態の打開にきっとヒントになる、そう思って武田先生に講演をお願いしたわけです。
結果、大変いい講演会となりました。
① 日米安保強行採決後の発言
「政治のゆるみや堕落は、政治に理念がないからだ。政策を転換して思い切って広くて高い理想の上に政治をやったらどうか。」
② 池田新総裁就任に際して
「まず官僚的政治を改め、権力的考えは捨ててもらわねばならぬ。納得の政治、謙虚なそしてくだけた政治に徹底すれば立派に国情が安定し、保守党の信頼回復ができる。」
③ 日中提携の理由を問われて
「ここ10年の間に米ソに匹敵する領土を持ち、民族主義に燃え、近代産業を持つ統一した国家が出てきたということだけは無視するわけにはいかなくなった。そこで日本としては自由国家郡の忠実な一員としての立場と、アジアの国でありアジア民族であるという立場をいかに調整し、調和して、アジアの繁栄・世界の平和に貢献できるかということが日本の将来の国際関係の基調でなくてはならないと思う。」
どうでしょうか。今まさにこの国の国務大臣に聞いてほしい言葉だと思います。
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